2014年12月30日火曜日

秋色のモザイク  すっかり冬なのに

作り始めたときは秋だったのですが、すっかり冬になってしまいました。(涙)

窓の外のハナミズキや南天の紅葉を眺めながら色を作っていきました。

葉が落ち、空の方が多くなって、木枯らしが吹き始める頃に慌てたのですが後の祭りです。

最初に上面に着色して、それから立ち上がりの面に同じ色を再現して行きます。

窓の外がどんどん冬になっていくので、ちょっと冬色になったりもしました。


いつものように並べ替えてみますが、あまり印象が変わらない気がします。

労多くして・・・という感じが否めません。

しかし、これを作っていて新しい発見もいくつかありました。

次回に生かせれば良し!ということで、今年一年を締めくくりたいと思います。(汗)

十一月十二月は、各一回のアップになってしまいました。

来年は、もっとペースを上げて、尚かつ大作にも取り組みたいと考えています。

よろしくお付き合いくださいね!


2014年11月30日日曜日

赤と青の交わり


今回は、赤と青を真っ直ぐになぞらえて画面を作ってみました。

ひとつひとつのピースが完結するようにと、立ち上がりの部分も塗り分けています。



赤と青とは、真反対のようで実は境目の曖昧なとても親密な色だと思うことがあります。

遠くて近く、近くて遠い色です。



上の絵は、半年以上前に描いたものです。



そしてパズル。






線による塗り分けは、デフォルメされた赤と青の交わりであり、並べ替えることにより色とりどりに入れ替わる美しさは、交わることが持つ本質的気高さだと思います。


2014年10月29日水曜日

トレド ムスク  習作 直線と曲線

以前にスペインのトレドを訪ねた時に撮ったムスクの写真からです。

直線と曲線の組み合わせ、奥行、石の質感などなど課題にして描いてみたのですが、そのどれもがまだまだこれからだと気づかされた習作でした。

しかし、写真を穴があくほど見つめながら描いているうちに、写真に写ったものは目に見えているものとは違うという当たり前のことにもやっと気づきました。

見るということと描くということを結びつける想いや技術など、さまざまに考えます。


アーチの奥にある扉の向こうに何があるんだろうということを、ここを見たときのように感じられる絵をいつか描けたらと思います。


油彩 F6  318X410






2014年10月23日木曜日

不安な空もよう

10月に入ってからも暑いんだか寒いんだかわからないような空模様でしたね。

台風の晩に玄関先を片付けておこうと表に出たら、思いがけず生ぬるい風が吹いていて驚きました。

季節といい社会情勢といい、随分怪しいこの頃です。

ピースもこんな感じで、怪しい色使いです。

ところが、並べ替えてみると、不思議としっとりとした味わいになりました。

世の中もこんな風に落ち着くといいのですが。

2014年10月20日月曜日

みちしるべ  森で道に迷う

今頃に森へ入ってみると、どんぐりがたくさん落ちています。

子供の頃は、毎日のように森の中を探検していました。

毎日入っている森でも、ちょっと奥に入るときには迷わないように道しるべを見つけておきます。

下生えや枝ぶりをじーっと見て記憶しておくわけです。

それでも油断すると簡単に迷います。


村上春樹氏の「海辺のカフカ」という小説の中で森の中のシーンが出てきます。

目印を憶えながら入っていったつもりで、振り返ると全く見知らぬ景色に見えるという描写が出てきますが、本当にその通りです。

さながら、こんな感じです。

シンとした森の中で、何かとても重量のあるものが落ちてきたようなズシンという音が聞こえる、というくだりもありますが、それもよく聞いていた音です。

小説の中で出てきて思い出したのですが、今考えると不思議な音です。

子供だったから、そんなものだと思っていました。


大人になって、あんまり森に入らなくなりました。

紅葉を遠くから眺める方が多くなりましたが、本当は中に入っていくとどんな季節でも楽しいですよね。


2014年10月5日日曜日

習作 ガラス 水 ツタの葉

油彩による秀作です。

自然光の下でのガラスのコップ、水、ツタの葉とオイルの瓶を描いてみました。

描けているのか自分ではわからないものです。

ただ描いている間、それぞれの質感が本当に美しいと感じながら描きました。

こうして写真に撮ると、実際にキャンバスの絵を直に見るより分かることがある気がします。


昨年の暮れにロペスの絵を見て、いつか描こうとツタの葉を水に挿してから随分経ちます。

最初は五枚しかなかった葉が、いつの間にか八枚になっていました。

庭の土に植え替えることにします。

命はすごいなぁと思います。


油彩 キャンバス F4号  240X335

2014年9月12日金曜日

分離派

分離派(セセッション)は19世紀の終わりにウィーンで起こった芸術活動です。

調べると、クリムトだのエゴン・シーレだのウィトゲンシュタインのお父さんだのそうそうたる名前が並びますが、世紀末の退廃的な空気に乗っかって美しいデザインの工業製品もたくさん生まれています。

アールヌーボーともアールデコとも違う色使いやフォルムが大好きです。

このパズルが分離派をモチーフにしたと言ったら怒られるかもしれません。

一度だけオーストリアを訪ねたことがあります。

ウィーンもザルツブルクもグラーツも、それはそれは素敵な街でした。

新しいものと古いものがとてもいい形で混在していました。

今も続いているという分離派の影響が、あの街で見た建築や工業製品や美術のどこに残っているのか、つぶさに特定はできませんが、居心地のいい素敵な街を広く覆っている気はしたのでした。

わずか三色構成のシンプルなピースです。


並べ替えたほうが面白い画面かもしれません。

2014年9月5日金曜日

スズメバチ

台所の換気扇の外にスズメバチが巣を作っていました。

バレーボールほどの大きさでした。

業者にたのもうかと思ったのですが、時間も費用もかかりそうだったので、インターネット上の「自分で駆除しました!」の記事に勇気を得て、必死の思いでどうにかやっつけることができました。

しかし、亡骸をしみじみ眺めると、獰猛を通り越して気高くさえあります。

こちらの一方的な都合で駆除するに至ったのですが、本当に美しい生き物です。

でも、もう来ないで欲しいですね。


キャンバス  油彩  F4号 240×335

2014年8月15日金曜日

夏の光

考えたら、眩しいほどの陽射しの中を歩くことが嬉しかったのは、子供の頃だけだったのかもしれません。

いつの間にか、カンカン照りの日中出歩くことを疎ましく感じるようになっていました。

頑張って出歩くと我が家の周りには、茶畑と茶畑の間にこんな切り通しや木陰がまだたくさん残っています。


2014年7月23日水曜日

椅子 チェアー

僕の日常の中にたくさんの種類の椅子があります。

画面にしたチェアー、そしてソファ、スツール、ベンチ、シート。

どれも体をあずけて安心できる場所です。

並べ替えてみました。

面白い絵です。この画面を意図して描くことはとても難しい気がします。

作ったあとのお楽しみです(笑)

2014年7月10日木曜日

緻密な計算

ケーブルTVに「放送大学」という番組が有ります。

リモコンでチャンネルを送っていると、たまになんとなく引っかかって手を止めます。


ホワイトボードに数式(のようなもの)が並び、グラフや図形が付いています。

先生が説明をしています。

それを数十分真剣に観てみるのですが、ほとんどの場合そこで説明されていることが、本当に何ひとつ、まったく、手がかりも何も得られず終わります。

番組タイトルを見ても、それが一体どの方面の学問であるのかさえわからないことがあります。

そんなものをどうして観てしまうのかというと、一見とてもシンプルに見えてしまうからです。

数字や図形に、整然とした美しさを感じてしまいます。



世の中には全然理解できない・・・なんというか、ここが表現しづらいところですが、全然理解できない「説明」や「言語」があると感じるのです。

つまり、そこで話されていたことは、もしかすると現象としては知っていることかもしれないからです。

非常にまわりくどい言い方になってしまいました(苦笑)

今回の画面は、そんなイメージです。

ピースひとつひとつが独立した画面のようです。
むしろ並べ替えたほうが、僕の感じたイメージに近いのかもしれません。


画面寸法 20cmx25cm


2014年7月3日木曜日

色の割合


初夏の強い陽射しのせいか、色が飛んだように薄く見える気がします。

土地の面積を測るときに、三角形に切っていって測量してある図を見たことがあります。

そんな風に、家々の屋根や道路や森の緑なんかを色の大きさで切り分けてみました。


ピースのひとつひとつが完結してて、結構気に入っています。


並べ替えてみました。これはこれでユニークな画面です。

実際に並べ替えてみるまでどんな画面が現れるのか見当がつきません。

いつも驚かされている気がします。

それが楽しくて作っています!


2014年6月23日月曜日

春の嵐  突風

四月の終わり、何度か突風が吹きました。

ゴゥという音と共に、向かいの森の大きな木が盛大に傾きます。

もちろん我が家もギシッと軋みます。

曇天の夕暮れを背景に、大きな音と、それに合わせて巨大なものが揺れ動くさまに目を見張りました。

並べ替えてみると、色の散らばりからあのちょっと寒々とした今年の春を思い出せる気がします。

2014年6月19日木曜日

ねこ

草むらで、ねこが毛づくろいをしていました。

柄がよくわからないすすけたねこでしたが、丸々と太っていました。

チッチッと口を鳴らすとちょっとだけ振り向きましたが、またすぐに向こうを向いて熱心にお手入れを続けていました。

ねこを見てると幸せな気分になります。

2014年6月16日月曜日

大きな船

小さな画面いっぱいに大きな船です。

船に見えますか?

梅雨入りして雨ばかりだったので、あっけらかんとした青空が恋しくて作ってみました。

ギリギリ船に見えるかな(笑)って絵なので、バラバラにすると手がかりがありません。


シンプルな分、並べ替えると面白い気がします。


ちょっと夏の気分です。

2014年5月29日木曜日

花 ともしび

なんという名前の花かは知らないのですが、とても可憐な花です。

乳白の花弁の先端に生まれたてのような淡い緑色がポツンと色づきます。

そのしっとりとした肌触りやぽったりとした厚みを感じさせる白を眺めていると、昼間の陽の光を蓄えて、月のない晩にポッと灯っているような気がします。

2014年4月29日火曜日

わずかな不安



平穏な毎日を送りながら、ふっと不安が心を横切ることがあります。

不安のもとを記憶の中に探るのですが見つかりません。

原因がわからないまま、シミのように不安が心に滲んでいきます。

いつの間にか忘れてしまっている程度のことなのでしょうが、なんとなく居心地の悪い時間を過ごします。

そんなことがありませんか?


パレットの上の絵の具の色も、人の心も、とてもデリケートなものですよね。








2014年4月23日水曜日

習作  見て描く 見ないで描く

見て描くのも難しいですね。

ほんのちょっと視線をずらすだけで、形も影も変わって見えます。

似ているようであり、全然違うようであり。

海を描いたブーダンや、踊り子を描いたドガは、どうやってその瞬間を画面にとどめたのだろうと思います。

ひたすら見て、ひたすらスケッチやデッサンを繰り返したのでしょう。

見ないで描くのも難しいです(苦笑)

手のひらに光るたまを置いてみたらこんな感じかな、という絵です。


描きながらわかることもあれば、描いてるうちにわからなくなることもあります。

見て描くものも見ないで描くものも、僕の内側にある物語のひとコマだと思っています。

いつかその物語が伝わるように描けたらと思います。




2014年4月22日火曜日

固定されたパズル 2  街 雑踏

パズルピースの切れ端を枠の中に収め、隙間を泥のような粘土で埋め、その上から色を載せてあります。

並べ替えできないのですからもはやパズルではないのですが、入れ替え可能な街そのものがパズルのようでもあり、あえてパズルと呼びました。

木や粘土といった素材の力が深い陰影を作ってくれます。

45cm×30cm

2014年3月11日火曜日

夕暮れ 秋の東北にて

東日本大震災 あれから三年が経ったのですね。。

昨年の秋に、気仙沼、陸前高田から盛岡へと車で走りました。

海沿いを走ると三年も経ったとは思えない被災地の惨状に驚きました。

いざ内陸へ走ると美しい東北の秋がありました。

花巻を通る頃には夕暮れて来て、ふと車を止めて国道脇の川に架かった橋の上からしばらく暮れていくのを眺めてました。

かなわないような美しさの夕暮れでした。

水彩 23cm×35cmほどです。






2014年3月10日月曜日

過ぎつつある冬

ついこの間春を待ちわびて街のパズルを作っておきながら、窓の外で過ぎつつある冬のことも偲んでいます。

雪の下からあらわれた風景は鈍色の空とあいまって、まだかろうじて冬の色です。




2014年3月7日金曜日

ちょっとだけれど つながっている ということ

近頃危ういニュースが多いですね。

以前だって少なかったわけではないのですが、最近耳に入ってくるニュースは少し規模が大きくて物騒なものが多い気がします。

この間の大雪のあと、朝からわらわらと近所の人が出て来てみんなで雪かきをしました。

せめて歩けるように、せめて車が一台通れるように。

出てきた人の家の前も出てこなかった人の家の前も雪をよけていきます。

誰かと「ありがとう」というわけでも「ごくろうさま」というわけでもなくて、「昨日はよく降りましたね」とか言いながら黙々と作業します。

これぐらいでいいかなって思ったあたりで、みんなそれぞれに家に入って行きました。

ただご近所というだけのつながりですが、やっぱりつながってはいるのです。

町同士だったり市同士だったり県同士だったり、そして国同士だったりもつながっています、きっと。

切らないようにしたいですね。



2014年3月6日木曜日

春を待ちかねて

あったかくなりそうで、なかなか暖かくなりません。

待ちきれないので、あっけらかんと春らしい街並みを作ってみました。

パズルピースを草原の色に塗り、家みたいな形に切り出した木片に屋根を塗り分け窓を描いて乗せます。

ただそれだけなのですが、なんとなく家に見え、集まると街に見えませんか?

角度を変えて眺めても楽しいです。


街のパズルは久しぶりに作りました。

作ってる間も、出来上がってからも、すごく楽しいパズルです(笑)

並べ替えてみて、また写真をアップします!


2014年3月2日日曜日

モノクロームから色彩への習作

モノクロームの習作のモチーフに色をのせてみました。

30cm×45cmほどの画面に、アクリル絵具による彩色です。

こうした習作を描けば描くほど、描きたいものやイメージをイコールで画面に移す難しさを痛感します。

そして、美術館で思わず足を止めてしまうような作品というのは、技術のもっともっと先か、あるいは全く別のところにあることにも改めて気付きます。

少し呆然としながら、それでも描きたいものや作りたいものがあることが嬉しくて仕方がないのです。



2014年3月1日土曜日

固定されたパズル

冬は過ぎつつあり春にはもう少しのこの頃。

家のまわりの色をひろってみました。


固定されたパズル なんてまわりくどい言い方をしなくても、要するに並べ変えられないってだけなのです。

じゃあ絵でいいじゃないか!とも思うのですが、厚みや素材の違う木片に着色すると、画用紙に絵具ので描くのとは違った表情が出てきます。

その素材感の残った感じを、普段作っている木のパズルになぞらえてみました。

作ってみて、絵を描くのとは違った緊張と楽しみがあります。

もっといろいろ試してみたくなりました(笑)




2014年2月19日水曜日

雪景色

多くの地域で雪の被害が出ています。

僕の住むあたりも大雪になりました。

九州で生まれ育った僕には、生まれて初めてと言っていいほどの降りようでした。


一枚目の絵は、先々週描いたものです。

塀の向こうに見える景色を、寒さも忘れて綺麗だなぁと眺めました。

二枚目の絵は、16日日曜日の晩です。

雪は止み、今度は轟々と風が吹いていました。

向かいの森の枯れ枝に積もった雪は吹き飛ばされ、一面の雪に反射したのか思わず見とれてしまうような不思議な空の色でした。


画材は一枚目が水彩画で、二枚目はアクリル画です。