2014年10月29日水曜日

トレド ムスク  習作 直線と曲線

以前にスペインのトレドを訪ねた時に撮ったムスクの写真からです。

直線と曲線の組み合わせ、奥行、石の質感などなど課題にして描いてみたのですが、そのどれもがまだまだこれからだと気づかされた習作でした。

しかし、写真を穴があくほど見つめながら描いているうちに、写真に写ったものは目に見えているものとは違うという当たり前のことにもやっと気づきました。

見るということと描くということを結びつける想いや技術など、さまざまに考えます。


アーチの奥にある扉の向こうに何があるんだろうということを、ここを見たときのように感じられる絵をいつか描けたらと思います。


油彩 F6  318X410






2014年10月23日木曜日

不安な空もよう

10月に入ってからも暑いんだか寒いんだかわからないような空模様でしたね。

台風の晩に玄関先を片付けておこうと表に出たら、思いがけず生ぬるい風が吹いていて驚きました。

季節といい社会情勢といい、随分怪しいこの頃です。

ピースもこんな感じで、怪しい色使いです。

ところが、並べ替えてみると、不思議としっとりとした味わいになりました。

世の中もこんな風に落ち着くといいのですが。

2014年10月20日月曜日

みちしるべ  森で道に迷う

今頃に森へ入ってみると、どんぐりがたくさん落ちています。

子供の頃は、毎日のように森の中を探検していました。

毎日入っている森でも、ちょっと奥に入るときには迷わないように道しるべを見つけておきます。

下生えや枝ぶりをじーっと見て記憶しておくわけです。

それでも油断すると簡単に迷います。


村上春樹氏の「海辺のカフカ」という小説の中で森の中のシーンが出てきます。

目印を憶えながら入っていったつもりで、振り返ると全く見知らぬ景色に見えるという描写が出てきますが、本当にその通りです。

さながら、こんな感じです。

シンとした森の中で、何かとても重量のあるものが落ちてきたようなズシンという音が聞こえる、というくだりもありますが、それもよく聞いていた音です。

小説の中で出てきて思い出したのですが、今考えると不思議な音です。

子供だったから、そんなものだと思っていました。


大人になって、あんまり森に入らなくなりました。

紅葉を遠くから眺める方が多くなりましたが、本当は中に入っていくとどんな季節でも楽しいですよね。


2014年10月5日日曜日

習作 ガラス 水 ツタの葉

油彩による秀作です。

自然光の下でのガラスのコップ、水、ツタの葉とオイルの瓶を描いてみました。

描けているのか自分ではわからないものです。

ただ描いている間、それぞれの質感が本当に美しいと感じながら描きました。

こうして写真に撮ると、実際にキャンバスの絵を直に見るより分かることがある気がします。


昨年の暮れにロペスの絵を見て、いつか描こうとツタの葉を水に挿してから随分経ちます。

最初は五枚しかなかった葉が、いつの間にか八枚になっていました。

庭の土に植え替えることにします。

命はすごいなぁと思います。


油彩 キャンバス F4号  240X335