2013年10月28日月曜日

台風

台風で大きな被害が出ています。


僕の生まれ育った街は、その昔「台風銀座」の異名がありました。

だから子供の頃の台風は、夏恒例のイベントのように感じていました。

台風が来る日は、空がオレンジ色に染まります。

関東ではあまり見かけませんが九州の人だったら、あの台風の前のオレンジ色に染まる独特の空の色を、夏の風物詩のように感じているのではないでしょうか。

小さい頃、そろそろ台風が来るなぁと夕焼けとは違う橙色の空を見ながら、台風には赤い芯があると勝手に思っていました。

家の前の竹林が暴風に蹂躙されるのを雨戸の隙間からのぞきながら、ちぎれ飛ぶ雲のあいだに赤い台風の芯を探したことがあります。

季節はずれの大きな台風に身をちぢめながら、そんなことを思い出して描きました。


大人になった今、赤い芯も探さず、うず巻く風をのぞき見ることもなく、ただひたすら無事に通り過ぎてくれるのを待つようになりました。




2013年10月4日金曜日

ジャパネスク 過剰な色


次のモチーフを探していたら、スケッチブックの中に庭のプランターの絵がありました。

春先、ワイン箱の中で暴れるように雑草たちが花をつけていた様子です。

以前から、なんとか画面に写そうと試みていた絵です。

下絵を重ねるうちに、花とは似ても似つかないものになってしまいました。

ただただ溢れるような色を描いてみました。

友禅や縮緬のお着物の柄のようにも見えます。

あでやかなお着物の色合いは自然の草花の中にあったのかと、今さらのように思います。

日本の色です。

ピースの一つ一つの側面に色付けするのは根気のいる作業ですが、綺麗に仕上がると疲れは感じません。



並べ替えても綺麗です。


ずいぶん涼しくなり、もうすぐ紅葉です。空も高くなって、色が変わってきました。

季節の変わり目。みなさま、くれぐれもお体にご自愛くださいね!